末石窯

備前焼とはどんなもの? 使ってこそわかる特徴を解説

 

備前焼とはどんなもの? 使ってこそわかる特徴を解説

 

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備前焼は土の持ち味を楽しめる素朴な焼き物です。絵付けや釉薬を使わずそのまま焼かれることが最大の特徴で、全て焼きが異なる1点もの。どちらかというと骨董というイメージがあり、なかなか手がでない芸術品と思われがちですよね。

 

しかし、実際には昔から生活に根づいたものとして使われ、備前焼の産地岡山では「備前すり鉢 投げてもこわれぬ。備前水瓶 水がくさらぬ。備前徳利 お酒がうまい。」という言い伝えもあるということです。

 

こんな不思議な特徴がある備前焼に、最近になってちゃんとした科学的根拠があることがわかり話題になっています。

 

使ってこそ伝わる魅力がある備前焼。あまり知らなかった方や、これから買いたいと思われる方へ、使ってみてわかる特徴についてご紹介します。

 

 

備前焼は水や酒を美味しくする  

 

備前焼は1200度以上の高温で10日前後かけて焼き上げるため、密度と強度が高く、表面には細かな凹凸が現れます。その表面にわずかな気孔があり、新鮮な空気が通ることができるのです。

 

備前焼はこの通気性があることで水の鮮度が保たれ、お酒の酵母菌の働きを助けお酒が美味しくなります。こういった特徴から料理や飲みものの美味しさを引き立たせる食器や、草花を長持ちさせる花器として広く愛用されてきました。

 

昔の茶人たちが備前焼の水指を愛用したのには理由があったのですね。また戦国時代に戦のために水や食料を備蓄した時には、備前焼の甕を使っていたという話もあるようです。

 

科学で証明されなくても、先人たちの実用から得た知恵は備前焼の特徴をよくわかっていたといえます。

 

 

割れないし冷めない、映える備前焼の皿

 

備前焼の実用性は昔から評価されてきましたが、現代では芸術品としての価値の方が優先してしまっている感があります。

 

しかし、備前焼が割れないだけでなく、通気性とさらに保温性も持っているのは、器として最適!使ってこそ、その本当の魅力がわかるんです。

 

割れないし冷めない、そして映える備前焼は、良質な土で一つ一つ形を作り、絵付けも釉薬も使わず1200度という高温で約2週間かけて焼くことで、特徴づけられます。

 

釉薬は使わないのですが、薪材の赤松の灰が器の上にかぶさり、それが釉薬の役割を果たします。備前焼はまさに偶然がなせる技。器の表情が豊かで手に馴染みやすいのもいいですね。

 

また、土の味わいを持つシンプルさが、盛り付けを見栄えよくします。例えば備前焼のワンプレートに、グリル野菜とベーコン、マフィンやオムライスなどを盛りつけても素敵に映えますよ。

 

 

使えば味が出てくる「エイジング」

 

焼き上がった備前焼は、土がそのまま残ったザラザラとした手触りがします。これは備前焼には釉薬を使わないので、表面に土の質感が生きたまま焼き上げることにより生まれる特徴です。

 

この「生きている」という言葉が備前焼にぴったりくるのは、通気性があって常に空気に触れて呼吸をし、年数が経つと変化するという特徴からなのでしょう。

 

買ってきた時にざらざらした感触も、使い続けることで表面の肌はよりなめらかに、艶が出てきます。備前焼の愛好家はそれをエイジングといって、少量アルコールで手入れしながら、自分だけの器を育てるのを楽しみます。

 

 

美しさと機能性を持つ備前焼

 

備前焼の実用性はその昔、高く評価されていましたが、現代ではそれが忘れられつつあったかもしれません。長い歴史の中で、先人たちによって使われることで生まれた知恵が、備前焼には詰まっています。

 

備前焼は「わび」の美しさとともに、優れた機能性が科学的にも証明されて、また再び使うことが見直されています。いつもの食卓が特別なものになる、そんな備前焼を暮らしに取り入れてみませんか?

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