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「桃太郎伝説」とは?おとぎ話の桃太郎との内容の違いについて解説

桃太郎ゆかりの地、岡山吉備路

桃太郎伝説の内容と歴史的背景について

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桃太郎にはもう一つのストーリーが存在します。一般的に知られている内容は、悪さを働く鬼を桃太郎が退治するというものですが、もう一つのストーリーの内容は、確かに鬼は退治するのですが、そのあとにハッピーエンドとは言い難い、物悲しいストーリーが展開されます。地元岡山で桃太郎伝説と称して言い伝えられていますが、この物語にはどうやら古代日本の歴史的背景が複雑に絡んでいるようです。あまり知られていない岡山の桃太郎伝説、今回はゆかりの観光地もご紹介しながら解説していきます。桃太郎や鬼の本当の姿を、一緒に探しに行きませんか?

あまり知られていないもう一つの桃太郎伝説

桃太郎伝説はおとぎ話の桃太郎と、話がかなり異なります。桃太郎伝説に登場する桃太郎はイサセリヒコという大和朝廷の皇子でした。吉備の国、備中で悪事を働く鬼、温羅の征伐を、正義感の強いイサセリヒコ=桃太郎は自ら志願し、激戦の末、見事、退治します。しかし、その後討ち取った温羅と夢の中で語り合っていくうちに、どうやら温羅は世間でいわれているような悪者、つまり鬼ではないと気付かされます。温羅は隣国百済の元王子で、備中阿曽の里の発展の為に尽力していた功労者だったのです。事の重大さに気付いた桃太郎は自らが犯してしまった過ちを後悔し、吉備津彦と名を改め、温羅が残した家族と共に、吉備の国の発展に生涯を捧げます。桃太郎伝説はおとぎ話の桃太郎とは違い、複雑な因果関係が絡んだ、ヒューマンドラマ形式なのです。

桃太郎伝説の登場人物と時代背景

桃太郎伝説の登場人物は、大和朝廷が権力をふるった4世紀~6世紀を生きた人物として設定されています。その時代、吉備の国という大和朝廷と同じくらいの勢力を持った国家が現在の岡山県あたりに存在しました。大和朝廷の皇子である桃太郎が吉備の国の鬼を退治する、といった設定が、大和朝廷と吉備の国の関係性を映し出しているようにも感じられます。そのような時代を今に伝える桃太郎伝説の登場人物について、詳しく解説します。

吉備津彦

吉備津彦は桃太郎伝説の主人公、桃太郎の別名です。温羅を誤って討ってしまった桃太郎が、夢の中で誓った温羅との約束を果たすため、自らの名前を吉備津彦と改名し、吉備の国の発展に尽くした、と物語の中に記載されています。吉備津彦は吉備津彦命として、古事記や日本書紀に記載されており、第7代孝霊天皇の第三皇子で、四道将軍として吉備の国を平定したイサセリヒコの別名であるとされています。

伝説の鬼「温羅」(うら)

桃太郎伝説の中で鬼として登場する温羅。物語の中で温羅は権力闘争に敗れ、落ち延びてきた百済の元皇子で、備中の阿曽の里に鉄製の農具や漁具を提供して、里の発展に貢献したとされています。温羅が実際に存在したのか、または誰か歴史上の人物なのかは定かではありません。しかし、吉備津彦が吉備の国を平定した4道将軍の1人だとすれば、温羅は平定された吉備の国の王、若しくは有能な将軍だった、とも想像できないでしょうか。温羅についての詳細は、今も謎に包まれたままです。

桃太郎伝説ゆかりの観光スポット

岡山には桃太郎伝説とゆかりの深い観光スポットが多く存在します。中でも有名なのが吉備津神社と鬼ノ城です。この二つの観光スポットには桃太郎伝説にまつわる、多くの伝説が存在します。

吉備津神社

吉備津神社は桃太郎こと吉備津彦が祀られている、桃太郎伝説と繋がりが深い観光スポットです。吉備津造の社殿と拝殿は国宝に指定されていて、その壮大な造りは吉備の国の威厳を感じさせます。この神社で有名なのは鳴釜神事と呼ばれる特殊な神事です。温羅の首が下に埋まっていると伝わる大きな釜に火を入れ、鳴る音によって物事の吉凶を占うというものになります。吉備津神社は、桃太郎伝説を深く知るうえで外せない重要スポットです。

鬼城山(鬼ノ城)

鬼ノ城は温羅が住んでいたとされる古代のお城です。温羅がここを居城とし、悪事を繰り返していたことからこの城を里の住民が鬼が住む城=鬼ノ城として恐れおののくようになった、との伝説があります。城の角楼後や、2.8kmにも渡る壮大な土塁や石垣は圧巻な景色です。お城の周辺にも、温羅が生贄を煮たとされる、鬼の釜など、温羅に関連した場所がいくつか存在します。

桃太郎伝説ゆかりのお土産

岡山では桃太郎ゆかりのお土産を購入することができます。伝統的なものや、最近話題になっている物をご紹介します。

吉備だんご

おとぎ話の桃太郎にも登場する、岡山の有名なお土産といえば、やはり吉備だんごでしょう。やわらかいお団子に、きびの粉をまぶした和菓子で、吉備津神社の境内で茶菓子としてふるまわれたのが最初だと言われています。

備前焼桃太郎(ガチャガチャ)

JR岡山駅で設置されている備前焼ガチャ桃太郎バージョンは、最近話題のお土産グッズです。備前焼の若手職人が作った本格的な備前焼なのですが、桃太郎やイヌ、サル、キジ、鬼等のキャラクターが愛らしいグッズで、幅広い層の観光客に注目されています。

吉備路をめぐる岡山観光

吉備路をめぐる岡山観光は、桃太郎伝説に関わりの深い観光スポットを巡る旅でもあります。それぐらい吉備路の歴史と桃太郎伝説のとの関連性は強いです。桃太郎伝説が吉備路の歴史の何を語ろうとしているのか、詳細は謎に包まれたままですが、自分なりに謎解きを楽しみながら吉備路をめぐると、思わぬ所に自分だけの発見があるかもしれませんよ!

 

 

 

 

 

 

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